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Suhartini, M.; 三友 宏志*; 長澤 尚胤; 吉井 文男; 久米 民和
Journal of Applied Polymer Science, 88(9), p.2238 - 2246, 2003/00
被引用回数:46 パーセンタイル:79.83(Polymer Science)生分解性プラスチックは耐熱性が低いため、応用分野が限られている。放射線橋かけは耐熱性の改善に有効な方法であるため、アクリレート,メタクリレート及びアリル化合物の1分子内に二つ以上の二重結合をもつ多官能性モノマーを添加し橋かけ促進効果について調べた。その結果、生分解性のポリブチレンサクシネート(PBS)の橋かけ助剤にトリアジン環をもったトリメタアリルイソシアヌレート(TMAIC)が1%という極めて低い濃度で効率的に橋かけを起こすことを見出した。ゲル分率から評価した橋かけ収率は、TMAICを添加しない試料は50kGyでほとんど橋かけしないのに対し、1%TMAIC添加試料は85%のゲル分率が得られた。この橋かけにより耐熱性が著しく向上し、熱湯水で全く変形の起こらないものが得られた。土壌中での生分解性は,橋かけ試料でもオリジナル試料とほぼ同様に分解した。
幕内 恵三
日本ゴム協会誌, 75(2), p.85 - 89, 2002/02
放射線加工のなかで最も実用化が進んでいるのは、放射線架橋である。ゴムの放射線架橋は、放射線利用の研究開発が始まった初期の段階から期待されていた。しかし、タイヤ以外のゴム製品ではあまり利用されていない。この原因を考察し、現状と新たな応用の可能性を紹介した。放射線架橋ゴムの低物性の主な原因は、ゴム分子の放射線による主鎖切断と放射線で発生したオゾンによる劣化のためである。多官能性モノマー添加による架橋促進と電子加速器による短時間照射などの適切な対策を講ずれば、放射線架橋でも硫黄架橋と同等の性能は得られる。配合によっては硫黄架橋よりもすぐれた耐熱性も認められる。硫黄架橋では数種類の架橋促進剤が使用され、複雑な配合となる場合が多いが、放射線架橋により配合の単純化が可能となる。また、放射線架橋の架橋速度は放射線の線量率で制御できるため、高線量率照射により押出し機とのon-line化がタイヤ工場では行われている。単純な配合と早い架橋は製造コスト削減に寄与することを強調した。
吉井 文男; 幕内 恵三; 菊川 伸吾*; 田仲 直*; 斉藤 純*; 小山 清人*
Journal of Applied Polymer Science, 60, p.617 - 623, 1996/00
従来の発泡体は、電子線橋かけにより溶融粘度を上げているが、これは使用後、再溶融による再利用が困難とされている。本報告では、再利用できる発泡体を製造する目的で、ポリプロピレン(PP)を種々の多官能性モノマー(PFM)の共存下で電子線照射した。16種類のPFMについて検討した結果、二官能性モノマーの1.6-ヘキサンジオールジアクリレートや1.4-ブタンジオールジアクリレートが溶融張力の改善に効果的であった。濃度は1.5mm/100g PP、線量は1kGyという、低濃度、低線量で高溶融張力PPが得られた。溶融張力は、分子鎖の絡み合いによることが伸長粘度の測定から明らかになり、この絡み合いは、GPCラルス測定から、PFMがPP鎖との分子間結合により、より高い分子量成分を生成するためと推定された。
Y.Xu*; 吉井 文男; 幕内 恵三
J. Macromol. Sci., Part A, 32(10), p.1801 - 1808, 1995/00
放射線照射に対し、崩壊型ポリマーであるブチルゴムが塩素化により橋かけすることを見出した。しかし、分解も伴うために反応性のよい橋かけ剤の多官能性モノマー(PFM)を添加して橋かけ密度を上げることによる物性の改良を行った。ブチルゴムとPFMとの相溶性を検討した結果、プラストミルによるゴムとPFMの混練中のトルクを測定することにより相溶性が評価できた。相溶性はトリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)が最も良く、反応性もよいことから橋かけ助剤として有効であることが分かった。ブチルゴムの強度は、TMTPの20phrの添加で、線量30kGyに最大値があり、7MPaになった。この技術は、カーボンブラックなどを添加した実用配向への応用に有益であると考えられる。
幕内 恵三; 萩原 幸
J.Appl.Polym.Sci., 29, p.965 - 976, 1984/00
被引用回数:28 パーセンタイル:79.05(Polymer Science)天然ゴムラテックスの放射線加硫促進剤として、各種多官能性モノマーの効果を検討した。ラテックスの促進剤としての効率は、モノマーのゴム粒子内への溶解性とゴム分子との反応性(グラフト重合性)の二つの因子が重要であると考えられるため、まず、モノマーのゴムへの溶解度を測定し、溶解度の高いモノマーを選定した。溶解度の低いモノマーを、ラテックスに添加すると、ラテックスの粘度が上昇し、凝固することもあるが、溶解度の高いモノマーでは、粘度上昇は少なかった。加硫促進効率は、溶解度のみには依存せず、モノマーとゴム分子の反応性が重要であることが判った。ラテックスの安定性と反応性との観点から、ネオペンチルグリコールジメタクリレートが加硫促進としてすぐれていることが明らかとなった。これを、将来の促進剤であるCClと比較したところ、必要線量は高いものの、ラテックスの安定性とフィルムの老化性の2点ですぐれていることが判明した。
幕内 恵三; 芹沢 俊夫*; 萩原 幸
Radiation Physics and Chemistry, 24(2), p.203 - 207, 1984/00
天然ゴムラテックスの放射線加硫に対する各種多官能性モノマーの促進効果を検討した。多官能性モノマーの種類により、照射後の粘度やゴム物性は大きく変化した。例えば、ネオペンテルグリコールのジアクリレートでは、ラテックスの粘度が極めて高くなったが、最大引張り強さを与える線量は、2Mradと低く、強さも十分であった。一方、ジメタクリレートでは、粘度上昇は少ないが、必要線量は多く、強度も不十分であった。このような多官能性モノマーのHLB(親水・疎水バランス)や放射線感受性の両面から比較考察した。
幕内 恵三; 朴 完彬*; 高木 徹*; 片貝 秋雄; 荒木 邦夫
色材協會誌, 56(2), p.80 - 87, 1983/00
エマルション状態でのポリマーの橋かけ機構とその促進法を、酢ビエマルションやアクリルエマルションを用いて検討した。i-プロパノールなどのラジカル捕捉剤の添加効果から、エマルションポリマーの橋かけは、水の放射線分解生成物であるOHラジカルによって促進されることを明らかにした。さらに橋かけを促進するため、一連のポリエチレングリコール ジメタクリレートの橋かけ促進効果を比較した。その結果、この種の多官能性モノマーの添加により、橋かけは促進され、その効率はエマルション中のポリマーに依存することを明らかにした。親水性の多官能性モノマーを用いて橋かけしたエマルションポリマーからは、吸水しても白化しないフィルムが得られた。
大久保 浩; 吉田 健三; 嘉悦 勲
Int.J.Appl.Radiat.Isot., 30(4), p.209 - 212, 1979/00
電子線重合によるゲル状フレネルレンズフィルムの製造方法について研究した。フレネルレンズフィルムの素材として、メチルメタクリレートのプレポリマー、不飽和ポリエステル及び多官能性モノマーを選んで研究した。不飽和ポリエステルは、電子線を照射し、硬化する場合、着色し易いが、電子線を適当量照射し、硬化寸前、すなわちまだやわらかいフィルム状を呈しているときに重合を止めた場合、着色は全く見られない。この現像を応用し、フレネルレンズの鋳型上で不飽和ポリエステルを重合させ、強度のあるフレネルレンズフィルムを得ることができた。このフィルムは若干の線照射によって完全に硬化するので、フレネルフィルムを板ガラス又はポリメチルメタクリレート板等に接着剤で貼り付けることによって、フレネルレンズ版を製造することが出来た。
大久保 浩; 吉井 文男; 西山 茂*; 吉田 健三; 嘉悦 勲
J.Appl.Polym.Sci., 24(1), p.161 - 170, 1979/00
被引用回数:2多官能性モノマーを含有するメチルメタクリレート・プレポリマーの放射線による注型重合について研究した。液状プレポリマーの物理的な性質、例えば過冷却性、粘度の温度依存性や液状プレポリマーの冷却時における特性などを調べ、これらを低温における注型重合と関連させて考察した。さらに効果的な注型重合方法として、ゲル状プレポリマーを用いた場合について検討した。ゲル状プレポリマーは、適当な条件下で液状プレポリマーを鋳型中で照射すると、低線量で効率的に製造できる。また、ゲル状プレポリマーは球面又は非球面の鋳型に押し付け、そのままの状態で線を照射することによって、通常の注型重合では得られにくい注型体を短時間のうちに製造できることが判った。
岡田 紀夫
日本接着学会誌, 13(12), p.465 - 474, 1977/12
電子線、紫外線による架橋反応の接着への応用を二大別して述べた。その一は高分子材料の表面処理としてのそれであり、その二は接着剤の製造、接着剤の硬化プロセスとしてのそれである。表面処理としての架橋は、いわゆるweak boundary layerの強化する手段であってポリエチレンや弗素樹脂に応用できる。この方法はクロム酸処理法に比べ、労働安全衛生や環境汚染の問題をまぬかれる点で有利である。電子線、紫外線を用いる接着剤の製造、硬化プロセスは省エネルギー、省資源、無公害という立場から多くの長所を有する。紫外線法では増感剤の併用が必要であり、各増感剤の化学構造と作用効果との関係を論じた。これらの架橋プロセスに用いられる不飽和ポリエステル系、アクリル系、チオールオレフィン系、エポキシ系樹脂の硬化について実例を挙げて述べた。最後に電子線法、紫外線法の効果プロセスの利害得失を論じた。
幕内 恵三
JAERI-M 7142, 76 Pages, 1977/07
ポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)の放射線による橋かけの効率に影響をおよぼす諸因子の解明を目的として、PVdFの放射線照射効果について系統的な検討を行なった。PVdFの橋かけ効率に対する照射条件(線量率と照射囲気)の検討から、PVdF自身の物性(分子鎖構造と分子鎖の運動性)の検討から、PVdFの橋かけを促進するには、頭-頭結合等の異種結合の多いPVdFを選び、真空中50C以上で、しかもフッ化水素吸収剤との共存状態で照射すればよいことが判明した。また、溶液中では主鎖切断のみが起こり、橋かけしないことも明らかになった。さらに積極的に橋かけを促進するには、多官能性モノマーの添加が必要であり、このモノマーはPVdFとの相溶性および熱安定性を考慮して選択する必要があることを指摘した。橋かけしたPVdFの高温における強度から、放射線橋かけによるPVdFの耐熱性向上の見通しを明らかにし、実用的意義を明確にした。
嘉悦 勲; 渡辺 祐平
Journal of Polymer Science; Polymer Letters Edition, 15(4), p.235 - 238, 1977/04
ガラス化モノマーの低温放射線重合の特色は、低温過冷却状態において、ガラス転移点より10~50C高い一定温度Tuにおいて重合速度の極大現象が認められることである。Tuにおける重合速度の極大については、ガラス化性モノマーの急激な粘性の増加のため、まづ停止反応が、次いで成長反応がそれぞれ拡散律速となるため生じるみかけの現象と解釈し、これまでの報文において速度論的な証明も行い、また間接的証明としてTuでの極大現象に影響を与える種々のファクターの影響について解明を行なってきた。本報もその一環であり、多官能性のガラス化性モノマーにおいては、そのポリファンクショナリティが増大するにつれ、Tuにおける極大現象が消失することを示したものである。これは多官能性モノマーの重合によって生成する架橋構造によるモビリティの減少が、成長鎖二分子相互停止反応の寄与を減少させるため、重合速度の極大を不明瞭にするものと解釈される。
幕内 恵三; 吉井 文男; 阿部 俊彦
日本化学会誌, 1975(10), p.1828 - 1833, 1975/10
多官能性モノマとして多価アルコールのアクリル酸とメタクリル酸エステルを用い、混入加熱成型したPVdFの電子線空気中照射による橋かけを行った。多官能性モノマーの橋かけ効率とPVdFへの相溶性は、それぞれゲル分率とPVdFの結晶化温度の変化から評価し、次のことがらを明らかにした。(1)アクリル酸エステルはメタクリル酸エステルよりも成型時に熱重合しやすいため、橋かけ促進効果がメタクリル酸エステルよりも低い。(2)成型試料の結晶化温度が低いものほど高い橋かけ促進効果を示した。このことから、(3)多官能性モノマの相溶性が橋かけ促進においては、重要な因子であること。(4)多官能性モノマーを選択する際には、結晶化温度の測定により最も有効なモノマーが決定できることなどが判明した。(5)各種モノマーの橋かけ促進効果は次の順序で高くなった。アクリル酸エステルメタクリル酸エステル、単官能性直鎖型2官能性分枝型2官能性3官能性。